私たちは、アフリカのウガンダでストリート・チルドレンを保護し支援していた
Muwonge Anthony 氏の活動を継続するための組織です。
彼の名前から、Anthony Fund(アンソニー基金)と名付けました。
「私はただ、子供たちの力になりたいから支援しているのです。彼らが路上で苦労する姿をみたくありません。どんどん追い詰められて、ギャングや泥棒になるのを見ていられないのです。
子供たちを自宅に迎い入れてみんなで家族のように暮らしています。
私が彼らがサッカーだけでなく勉強も頑張って、立派な人間になってほしいのです。」
NHK世界のドキュメンタリー 『The Other Kids』 アンソニーのコメントより
ストリート・チルドレンを保護し、自宅に住まわせる。そしてサッカーを教えてサッカーで得た奨学金で子供たちを学校に通わせる。そんな活動をウガンダの首都カンパラでしていた人がいます。プロウェイアカデミーのアンソニーという監督です。
私たちがアンソニーを知ったきっかけは、NHKのある番組でした。
「世界のドキュメンタリー 『The Other Kids』 サッカーは僕たちの希望」
「世界のドキュメンタリー」HPはこちら☞http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=160823
※視聴ご希望の方は、問い合わせ先よりお知らせください。
この番組内では16人の子供たちが同居していましたが、最終的には22人の子供を保護していたそうです。『The Other Kids』は、そのアンソニーとストリート・チルドレンの1人でエース・ストライカー、リーガンに焦点を当てており、トーナメント戦で見事勝利しリーガンが奨学金を得て学校に通えることになった、というところで終わっています。
しかし、この後にはとても悲しい出来事が起こっていたのです。
それは、突然起きました。 2016年4月16日、カンパラで大規模な洪水が起き、コーチのアンソニーは流されて亡くなってしまったのです。 リーガン達は生きる糧を与えてくれたアンソニーという存在を失ってしまったのです。
22人の子供たちのうち、両親または両親のどちらかがいる子供たちは家に戻りました。残ったのは、リーガンを含めて4名。新しいコーチの家で暮らしていますが、コーチにも家族があり生活は厳しく、リーガン達は自ら学費、食費などの生活費を稼がなければなりません。
私達がちょうどリーガンと話をしたのは、スクールホリデーで学校が休みの時期でした。「どうやって生計を立てているのか?」と聞くと、休みの間は、コーチが買ってくれたプレイステーションを町の集会場に持っていき、時間貸しをするのだそうです。
前日の売り上げは、6,000シリング、日本円換算すると180円です。(1シリング=0.03円で換算)そのうちの半分が監督の収入となり、残りの90円を4人で分け合います。リーガン達は使い道を話し合い、食料を買うことにしました。生きるために食費に回すしか選択肢がないのです。そしてそれは決して十分な食事とは言えず1日1食で済ませる毎日を過ごしているとのことでした。
番組放送後、白人から援助の申し出は多々あったそうです。しかし、援助を必要としている子供たちには、十分な支援は届いていないのです。なぜなら周りの大人が搾取しているからです。
私達「Is there any adult person you can trust?
(誰れか信用できる大人は周りにいるの?)」
リーガン「No.」
これを聞いた私達は、とても歯痒く居ても立っても居られなくなりました。番組内での1年の奨学金は約20,000円と紹介されていました。それなら何とか支援していけるんじゃないか? 数日後にムロツヨシさんの舞台を泊りで観に行く予定だった支援メンバーの一人が、観劇1回と宿泊を諦めた金額30,000円を数日後送金し支援が始まりました。
アンソニーの生前、獲得した奨学金が校長に持ち逃げされ、アンソニーと子供たちはしばらくの間ご飯をろくに口にできないことがあったと番組で紹介されています。悲しいことですが、アフリカで支援を行う際、搾取や物資の横流しは珍しいことではありません。それでもやらないよりまし、と援助をしているのが現状のようです。
しかし、私たちと子供たちは直接つながっており、中間搾取や横流しなどが全くない支援体制が出来上がっています。これは、私たちの一番大きな強みです。 現地の協力者によって、子供たちから挙がった必要なもののリストに優先順位をつけ、不可欠なもの、生活に必要なものから優先的に支援を行っています。
リーガンがプロのサッカー選手になれるかどうかはわかりません。栄養不足なのか、背も小さいように思います。ただ、もし、サッカー選手になれなかったとしても、搾取も横流しもされることないこの活動を、アンソニーの意思を次いで運営してくれたら…、
そんな思いで彼らが卒業するまでは、活動を継続していきたいと思っています。
中間搾取や横流しのない活動を継続し根付かせ、現地の住民たちで運営していく組織にする。それが最終ゴールです。
奨学金でさえ校長に持ち逃げされる、そんな社会で育っているリーガン達には、信用して頼れる大人が一人も誰もいません。
私達「Is there any adult person you can trust?」
リーガン「No.」
こんなやりとりがなくなる世界を子供たちと一緒に作っていきたいのです。